レポート – 堺能楽会館 地獄太夫妖怪行列
2025年11月8日、私たち「関西カメラ女子部」は、堺能楽会館を訪問しました。
56年の歴史に幕を下ろすこの伝統ある空間での最後の撮影イベントとなります。
堺の伝説「地獄太夫」と「妖怪行列」という幻想的なテーマ。
妖怪市場や、妖怪さんがいたりして舞台が始まるまで楽しみました。

こちらは、指入り鬼ぎりや、妖怪ドッグ


舞台が始まると、その荘厳な能舞台で繰り広げられる二つの時代の物語 ——地獄太夫と一休禅師の伝説、そして堺の町が炎に包まれた大坂夏の陣前夜の物語—— に、私たちは完全に心を奪われました。
ファインダー越しにその一瞬を切り取るという使命さえ忘れ、部員の誰しもがシャッターボタンを押すのを忘れてしまうほど、ただ夢中になって舞台に見入ってしまいました。

舞台はまず、室町時代の堺です。遊女に身を落とし、自ら「地獄」と名乗る太夫の苦悩が描かれます。彼女が地獄変相図の着物をまとうに至った背景と、そこへ訪れる一休禅師との出会い。二人の禅問答(「山居せば…」「一休が身をば…」)を通じ、地獄太夫は「地獄も仏も本質は同じ」という禅の悟りを得て、自身の「内なる地獄」から救われるまでが描かれました。


時代は変わり舞台は1615年、大坂夏の陣の前夜へと移ります。



徳川軍の焼き討ちにより、堺の町は戦火に包まれ、遊郭は燃え盛ります。地獄太夫は他者を救う「慈悲」の力へと変え、燃え盛る遊郭から遊女たちを導き、助け出すために奔走しました。

撮影するのを忘れてしまうほどただ一人の観客としてその世界に没入した夜でした。
能舞台という神聖な空間で演じられた本作は、堺の「伝説(地獄太夫と一休)」と「歴史的悲劇(夏の陣)」の素晴らしい作品でした。


能舞台と一緒にパチリ!
地獄を知る太夫が希望を導いたように、この場所の記憶もまた、未来の堺の文化へと受け継がれていくことだと思います。





































































